豪雨災害から4カ月。「人吉温泉 翠嵐楼」

写真は、7月18日の「翠嵐楼」さんです。3メートル近くまで浸水し、宿泊客・従業員・周囲の逃げ遅れた近所の方、約30人で2階・3階・屋上へと避難し、救助を待ったそうです。今では「垂直避難」という言葉が当たり前のように飛び交っていますが、ご主人も「垂直避難という言葉を初めて知った」とおっしゃっていました。

球磨川沿いの宿として、水害の経験が過去にある「翠嵐楼」さん。お話を聞くと、「昭和40年7月に床上2m10cmの水害にあいました。その後も床上浸水を伴う水害を3度経験し、昭和58年に地盤を2m50cmかさ上げして、現在の翠嵐楼を新築しています」ということ…。かさ上げをしていたところ、なお2m30cmも浸水してしまったのです。以前のままだったら、4m80cm。想定をはるかに越える被害だったことが分かります。

「まだ図面が書ける状況ではなく…予定では3カ月で仮営業と思っていましたが、とてもじゃないけど無理でした。あと2年ほどはかかるけれど、バリッとお化粧直しをしたいですね」

(翠嵐楼・川野社長/取材日・10月5日)

text&photo 今村幸子

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